心の苦しみを乗り越える最後の方法
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これは叔母から聞いた話です。
叔母は以前、栃木の温泉街で仕事をしていました。旅館やホテルの配膳や後片付けといった仕事ですが、仕事が終わるのが深夜過ぎになってしまうため会社の送迎バンで通っていたのです。
温泉街は自宅から車で一時間ほどの山の中腹にあります。
いつものように仕事を終えて帰宅する途中の出来ごとでした。
10人ほどの仕事仲間とバンに乗り合わせ山道を下っていました。
深夜過ぎのため、いつもみんなウトウトと眠り込んでいたのですが、いきなり急ブレーキと、ドンという衝撃音で目が覚めたのです。
運転手が、青ざめた顔で言ったのです。
『どうしよう、バイクを跳ねてしまった』
どうやら事故らしい。
慌てて車から降りて、叔母たちは周囲を見渡したのですが、そこには事故らしい形跡も、跳ねたバイクもありませんでした。
運転手がうたた寝して夢でも見ていたのでは?
『でも、確かにバイクが車の側面にぶつかって、あの辺りに転倒したのを見たんだ』
運転手が指さした方には林や茂みがあり、そこには何もありませんでした。
道の反対側は断崖絶壁になっていて、そこからバイクごと落下したとも思えませんでした。
確かにバイクらしいライトが接近してくるのが、ぼんやり見えたのです。ガンと言う何かがぶつかるような衝撃音を感じたことも、そこに同乗していた全員が寝ぼけてたなんて、単純な理由で済ませられないことです。
無論、車は無傷なので、叔母たちは、そのまま山道を下りていきました。
曲がりくねった山道での走行は、夜は見通しも悪く危険で事故も多いようです。
そこで亡くなった人もいると聞いてます。
いきなり消えた真夜中のライダーは、もしかすると、まだあの山道を走っているかも知れませんね。
Nさんより

心の奥のモンスターとサヨナラして
苦しみを乗り越える最後の方法
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