心の苦しみを乗り越える最後の方法
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私の心霊体験についてお話しします。
私は、高校時代吹奏楽部に所属していました。
私が高校2年の秋に、横浜で開かれる全国大会に出場が決まり、関西からの出場だった私たちは部員全員がホテルに宿泊することになりました。
2人部屋だったので、私は当時一番仲のよかった友達と同じ部屋でした。
私はもともと夜型で、割と遅くまで起きていられたのですが、友達は長距離の移動で疲れていたのか、隣り合ったベッドで話しているうちに先に寝てしまいました。
私は特に何もすることがなかったので、携帯でアラームをセットし寝ることにしました。
ふと目を覚ましたときに枕元の時計を見ると深夜2時過ぎでした。
私はもう一度眠りに就こうと寝返りをうちました。
壁を向いて寝ていたので、今度はベッドの隙間を挟んで友達の方を向く感じになりました。
私は目を閉じました。
すると、突然目の前に気配を感じ、私は動けなくなりました。
目は動かせたので、うっすらと開けてみると、目の前に黒い影が立っています。
そして、両側の私たちが眠っているか確認するかのように静かに見下ろしています。
私はとっさに、その人影は巡回に来た顧問の先生だ、と思いました。
起きているとばれたら怒られる。
そう思い、私は必死に目を閉じて寝たふりをしました。
ほどなく枕元から気配は立ち去り、ドアが閉まるかすかな音がしました。
私は安堵し、今度こそ深い眠りに就きました。
翌朝、大会の会場に向かうバスで、私は昨日のことを友達に話しました。
私は巡回の先生だと信じ込んでいたので、
「昨日顧問の先生夜中に来たけど覚えてる?」
と同室の友達に聞きました。
友達は全く覚えていない、と言いました。
まあぐっすり寝ていたみたいだしなあ、と思っていると、その話を聞いていた別の友達が、
「え……それはないって……」
と話に加わってきました。
その子は、先生が私たちは高校生だから今さら寝ているか一部屋ずつ回ったりはしない、と言っていたと教えてくれました。
さらに、
「あのホテルの部屋……カードキーやし……」
それを聞いた途端私の背筋を悪寒が駆け抜けました。
確かに、いくら先生とはいえ全部の部屋のカードキーなど持っているわけがありません。
「じゃあ……あれはいったい……?」
私はあのとき確かにドアが閉まる音を聞いたのです。
今でも結局あのときの人影は何だったのかわかっていません。
それでも、無事に帰れてよかった……と、あのときの話が出るたびに私は胸を撫で下ろしています。

心の奥のモンスターとサヨナラして
苦しみを乗り越える最後の方法
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