心の苦しみを乗り越える最後の方法
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私がまだ大学生の頃でした。
夏休みに入り、私は友人と借りていたアパートで昼くらいから流行りの対戦ゲームで遊んでいました。
その日はこの夏一番の暑さになると言うニュースを見ました。
ゲームを初めて二時間くらい経ったころ、友人が言葉を発し
「あちぃ、どこかに涼しい場所ないかなぁ」
私は「滝でも見に行かない?森に囲まれていい場所があるよ。」
そう言うと友人は「お!いいねー、暇潰しに行こうか!」
こうして私たちは平和の滝に行くことになりました。
車を走らせること30分、平和の滝に到着。
でもすでに駐車場に入る車の行列が出来ており、私たちは駐車場が空くのを待つことにしました。
しばらくして、駐車場に入れる番が来た時にはすっかり夕暮れに差し掛かっていました。
私たちは車を停め、滝に向かい始めました。
緩やかな勾配の坂道を降り、その先に滝があるのですが、私の前を歩いていた家族の足取りが遅くて中々到着できません。
手すりを掴み、一歩ずつ土の階段を降りていたら、帽子を被った男の子が躓き転びかけたので、私は思わず手を差しのべました。
男の子は「ありがとうございます」と礼儀正しく答えてきました。
そして、私たちは滝に到着。
あれ?
あんなに駐車場は混んでいたのに、全然人がいないなぁ。
俺たちと前を歩いていた家族だけじゃん?
私は友人に「混んでいたけどここは空いてるね」
そう言うと友人が「本当だな、俺たちしかいないじゃん」
そう笑いました。
あれ?“俺たちしか”
周りを見回すと、さっきまで一緒に降りてきた家族の姿が見当たらない。
どこを見回してもいない。
私が友人に「あれ、さっきの家族の人たちは?」
そう訪ねると、
「家族?誰それ?」
私は少し動揺してしまいました。
「いや、降りてくるとき前を歩いてた家族だよ!」
友人は「お前何を言ってるんだよ。うちらしかいなかったじゃん」
・・・。
私は急に怖くなってきました。
友人に「何か嫌な予感がする。すぐ車に戻ろう」
私の怯えた表情を見た友人は「お、おう。分かった」
二人は急ぎ足で坂道を登りました。
中程まで行くと曲がりくねった坂道を曲がり、滝の方を見ると、
遠くに見える滝の前であの家族がいました。
私は思わずギャーと悲鳴をあげてしまいました。
どうやら友人には見えていないようです。
駐車場に戻ると満車だったはずの車は1台も見当たらない。
私は怖くて怖くて、あの出来事以来、平和の滝に行くことはありませんでした。
あの家族は私に何かを訴えていたのでしょうか。
今となったら謎は深まりばかりです。

心の奥のモンスターとサヨナラして
苦しみを乗り越える最後の方法
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