そのトンネルのある町は大震災で大きな被害にあいました。そのトンネルの近くも被災している場所です。
仕事でその日は遅くなってしまい同僚と二人帰社を急いでいました。いつも帰りに通るトンネルなので私も同僚も全く何も気にしていませんでした。それよりも仕事の疲れがひどく無言になっていた時です。突然女性の悲鳴のような音がトンネルに響きました。しかし私は最初ブレーキの音かな?と気にしていなかったのですが同僚は真っ青な顔をして話しかけてきます。同僚が今の音は女性の悲鳴だと言うのです。そこで私も思い返すと私たちの車以外いないことに気づきました。前後はもちろん対向車もいません。やっと私も女性の悲鳴だと気づきました。しかし通ってきた道に歩行者はいなかったので不思議に思っているとトンネルの出口付近に女性が見えたのです。その女性は全身濡れているようでした。そして私たちはすぐその女性は霊だと気づきました。
きっと津波にのまれ亡くなったのだと思います。亡くなった姿のままそこに留まっているのでしょう。被災にあった場所を夜通る時はそれ以来気を引き締めるようになりました。そうでないと急にハンドルをとられたりと連れていかれそうになるからです。震災で亡くなった方が心安らかに眠ることを願うばかりです。