心の苦しみを乗り越える最後の方法
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兵庫県に住む私には霊能力というものはありません。ですが、これを心霊体験といえなければ、私にとって魂とか死後の世界とか、何の意味もないただの妄想となり、宗教やその手の仕事をしている人達はみんな詐欺師でしかなくなるでしょう。
あれは、11年前の秋の事でした。家で飼っていた犬が15歳になり、起き上がれなくなっていました。
自分で水も飲めなくなっていたので、口元に皿を差し出してやり水を飲ませていました。
その日の夜、できるだけ犬の手当てをした私と母は、何か立ち去り難いものを感じましたが、明日の仕事もあったので、吹っ切ってそのまま就寝しました。
次の朝、起きてみると空気がとてもきれいでした。まるで教会のステンドガラスに祈りを捧げる人たちの気持ちが分かるような厳かな雰囲気でした。でも私はその空気を受け入れることはできませんでした。
それでなるたけ部屋に漂う厳かな雰囲気とは逆の音楽をかけました。犬がのどを乾かしているかもしれないとも思いました。でももうあいつはのどを乾かすことなどないのだと思いました。
そのうち、母が階段を上ってきました。いつも音楽がうるさいと大声で叱ってくる母はその日は静かでした。
どうしたの、と聞く前に母が言いました。
「犬、死んだよ。」
ああ、この厳かな雰囲気は犬の魂だったんだなと私は思いました。

心の奥のモンスターとサヨナラして
苦しみを乗り越える最後の方法
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