心の苦しみを乗り越える最後の方法
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これは、私が小学生にもなっていない幼い頃に実際に体験した心霊体験です。
あんなに怖い思いをしたのは人生であれがはじめてで最期でした。

それは、いつもと変わらない普通の夜でした。
私の家は田舎にある賃貸の古ぼけた一軒家で、和室で障子がある部屋です。
私たち兄弟がよく遊んで障子を破ったりするため、障子には穴が開いており、私はその向こうに見える暗闇が嫌いでした。その破れた障子の先は物置として使っている部屋で、祖父や祖母の遺影が飾ってあったり、昼間は何ともないのに夜になると何か嫌な感じがしていたのです。

そこでいつもと同じように、家族3人で川の字になり寝ていました。私が真ん中、左には兄が、右には父が。
なぜか、普段目が覚めないのに夜中に目を覚ましてしまたのです。
何か、「視線を感じる」ような気がして、落ち着かず、なかなか寝付くこともできず、何気なく部屋を見まわしていました。普段夜は私が怖がりなため、豆電球をつけていたので、部屋はほんのり明るく、周りが良く見えたのです。

そしてついに、障子の方に目をやってしまったのです。そこには、猿が居ました。冗談ではありません。血を流した猿が障子の穴から、じっと私を見ていたのです。

一瞬にして恐怖が私を襲いました。自分がイメージしていた幽霊でもなく、ただ猿がじーっと不気味に私を見つめているのです。すぐに、隣に寝ている父と兄を揺り起こそうとしました。でも、何度声をかけても、何度身体をたたいても、不思議に起きてくれないのです。その間にも猿は私を見つめているような気がしました。

私はどうすることもできず、頭から毛布をかぶって布団にうずくまりました。あったかくて確かにそこにいるのにいびきをかいて起きてくれない家族が、守ってくれるような気がしたのです。
かなり泣いていたと思うのですが、そのうちに疲れて眠ってしまいました。

次の日目が覚めると兄から目が晴れていることを指摘され、昨晩のことは実際にあったことなのだと改めて実感しました。何かされたわけではないけれど、すごく怖かったです。
それから父に訳を話して障子をふさいでもらい、近所の人にも話をすると、そのとき住んでいた賃貸の一つ前に住んでいた住人が猿を飼っていて、猿を見た部屋の後ろに植えてあった木から落ちて死ぬという事故があったと聞きました。その猿が出たんじゃないかと。

猿が木から落ちて死ぬなんて笑い話だと近所の人も親戚も笑い話として話していましたが、私は今でもあの夜何の感情もなく私を見つめ続けていた猿が忘れられません。
その死んだ猿は、もしかしてその木の下にでも埋められていたのでしょうか。あれから障子の穴はすぐに埋めることはもちろん、障子の戸をきっちり閉めるようにして、二度目に見ることはありませんでした。あの家ももう古くなりもう取り壊されています。

心の奥のモンスターとサヨナラして
苦しみを乗り越える最後の方法
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