心の苦しみを乗り越える最後の方法
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これは私が北海道のコンビニで夜勤社員として働いていた時の話です。
人手が足りず、女性男性関係なく夜勤を一人で回していました。私が担当していた店舗は夜になると、暇になり誰も来なくなるので一人で夜勤する時は実は助かったと感じていました。
その日も一人夜勤でいつも通り業務を行っていました。ただ、その日はいつもよりもお客さんが来ない状態が続き、納品も休みの日だったので大体1時半くらいにはほとんどの仕事が終わっていました。
とりあえず疲れてもいたので、少し休憩しようと事務所に行き煙草に火を点けていました。
店内にいるのは一人なので、お客さんが来たらすぐに火を消して行かなくてはならないのですが誰か来る様子もなかったので落ち着いて休憩をとっていました。
少しして、ふと監視カメラを見ると入り口を写すカメラに男性が立っていました。
私のお店はドアが防寒防止に二重になっていて、外側と内側にあるのですがその外側で立っていました。
入ってきたらすぐに出ようと思いながらその様子を見ていると一向に入ってくる様子がありません。
店内の様子を伺うようにうろうろとしているだけでした。
何かあったのかな、と思い一度店頭に戻ろうと丁度吸い終わった煙草を消して、店頭に戻り入り口を見るとその男性は居なくなっていました。
帰ったのかな、と思いながら再度事務所へ戻り監視カメラを見ると、そのお客さんはまた居ました。そこで私は疑問に思いました。
コンビニを利用する方は多分分かると思うのですがレジカウンター内に事務所へ繋がるドアが設置されていることが多いと思います。あまり別々になっているのは見たことないのですが、私のお店はそのようなタイプで、すぐに店頭に戻れるんです。1分もかかりません。
その中で私が出て行っていないことを確認して、事務所に戻る時にまた現れるなんてできないんですよね。隠れる場所もありません。

コンビニ夜勤をやっていると、時々そういうちょっとした心霊現象を体験することはあります。
だから私もまたかなーと思いながらとりあえずその男性を観察することにしました。よく見れば輪郭などもしっかりしておらず、白い靄がかかったようで表情とかはよく見れませんでした。古いお店なので、監視カメラの性能が悪いという点もあるとは思うのですが、それでもぼんやりとした姿でした。
体験したことがあるとはいえ、こんなに姿が見えるのは珍しいなと思いつつもう一本煙草を吸おうとした時にその男性が顔を上げこちらの監視カメラを見てきました。カメラ越しに視線があったような気がしました。
そして次の瞬間、店内の入店音が鳴り響きました。とはいえ、鳴るのは内側の扉を開けてセンサーが感知しないとなりません。監視カメラを見ていた限り誰も入ってきていないです。居たのは外にいたその男性だけ。
私は一瞬店内を映すカメラで全体を見たのですが誰もいません。そしてすぐ入り口側を見たのですがその男性はいなくなっていました。

入ってきた。私はそう確信しました。
そう感じた瞬間、強烈な寒気が襲い掛かってきました。これままずい、と思っても店内へ戻るような勇気がなくただずっと監視カメラを見てました。
袋菓子やフックにかかっている商品が落ちたり、実際ドアが開いていないのにドリンクのドアが何度も開け閉めする音も聞こえてきます。かごが乗ったカートがいきなり動き出したりするうちにふと気づいたのが、商品が落ちる順番でした。それがまるで足跡のように店内を一周したのち、ぴたっと止んだところがあります。
それが、在庫置き場でした。そして在庫置き場と、私のいる事務所は扉ひとつでつながっているんです。
間違いなくこっちにくる!と思った私は急いで扉が開かないようにその前に重たい荷物や資材などを置いて開かないようにしました。
店内の物音はしません。しかし寒気はとまりません。恐怖心だけが煽られていく中で、突然ドアノブが動き出したんです。

怖くて声もあげられませんでした。
がちゃがちゃと鳴り響くその音だけが怖くて、私はずっとその動きが止まるのを見ていました。
来るな、来るなと思いながらずっと。

数分後くらいでしょうか。そのドアノブが動くのがぴたっと止みました。
諦めてくれたのだろうか、でもまだドアの向こうにいるのではないかと怯えていると突然店内の入店音が響きました。とても怖くなり、しばらく見ていなかった監視カメラを見ると雑誌の納品が来ていました。
久しぶりに人を見たような気がして、安心して私は店内へと戻りました。

納品のドライバーさんに軽く挨拶をし、店内の物が散乱している状態を見てとても心配されたので私は怖かったこともありそのドライバーさんにすべてを話しました。

「そんなことあったんだ。それは怖いね…。誰かに連絡して来てもらったら?」
「そうしたほうがいいかもしれないですよね…本当に怖くて洒落にならないです」

人と話して少し落ち着きを取り戻しつつ、カウンターから出てドライバーさんの横を通り過ぎたときでした。
ドライバーさんが私を呼び止めました。なんだろうと思い振り返ると、ドライバーさんは表情が青ざめていました。

「背中、手跡ついてるよ」

その一言に怖くなり、急いで制服を脱ぎました。その背中には、薄く汚れていたのですがそれは手跡にも見えました。
その時私は思いました。そうだ。カウンター側からも事務所に入ってこれるんだ。つまり私の後ろにずっといたんだと。

それ以降、私はそのお店で働くことができなくなり、一ヶ月もしないうちに辞めました。
なんだったのか、未だに私もわかっていません。ですが、働いている人がよく「いたずらしにくる人いるんだよね」といっていたのでもしかしたらそういうことなのかもしれないです。
現在は別会社のコンビニで働いているのですが、夜勤はしばらくやめておこうと思います。
読みにくくてすみません。

心の奥のモンスターとサヨナラして
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