私が高校卒業して、就職をし、会社の寮に入った時に職場の先輩から聞いたお話です‥。
鹿児島県のとある地域にあるその職場のすぐ近くに会社の寮がありました。
その寮は少し上の方にあり、寮から会社に行くまでの道はかなりの傾斜がありました。
軽く走って降りると、ついつい止まれなくなるのでは‥?と思えるほどで、自転車を利用する時にはゆっくり押しながら降りないと危険を感じます。
さらには、踏切があるので本当に怖い印象を受けます。
そんな道での出来事だったそうなんですが‥。
ある学生が毎朝、新聞配達のバイトをしていたそうです。
この地域は県内でも田舎のほうで冬場は朝でも非常に暗い中、街灯も少ないです。
慣れた道、いつも通りの朝‥その学生は新聞配達を頑張っていました。
少し慌てながら新聞配達をしている最中、自転車に乗り、あの道を降りていったそうです。
そして、踏切の閉まる音と電車が近付く走行音が響き‥学生はブレーキをかけ、止まろうとしました。
しかし、前日の雨で濡れた地面とあの傾斜では自転車のブレーキがきかず‥
踏切を越えてしまいました‥。
そのまま帰らぬ人となってしまったそうです。
それ以来‥、深夜を過ぎて、終電が通り過ぎ、電車も止まって数時間。
静まり返ったはずのその地域に‥カンカンカンカンと踏切の音が聞こえてきます。
まるで、あの学生がここに踏切があるんだよと伝えているかのように‥。
私自身も数回、その寮で今は鳴るはずのない踏切の音を聞いたことがありました。
この話を先輩から聞くまでは何とも思わず、間違いかな?うるさいな‥くらいに感じていたのですが‥。
まさか、こんな悲しい出来事があったなんて思いもしませんでした。
そして何故だか、この話を聞いてから。
私はあの踏切の音を聞くことはなくなりました。
悲しい事故が2度と起きることがないように。
あの学生は今でも踏切からメッセージを送り続けているのかな‥私はそんな気がしました。
Fさんより