心の苦しみを乗り越える最後の方法
→ サヨナラ・モンスター ←

これは友人のお姉さんの話です。
お姉さんは、よく道に迷う人らしいんです。
元々方向音痴なのか、すぐ目の前を歩いていても、ほんの一瞬、目を離した隙に、どこかへ消えてしまうそうでなんです。
その日も、お姉さんは消えてしまいました。
それは近所の公園へ子供たちと遊びに行った時のことでした。
公園には小高い山があり、山道の中間に、子供たちがいつも遊んでいるアスレチック遊具場があるのですが、そこへ向かう途中で、友人のお姉さんは忽然と姿を消してしまったのです。
遊具場の広場へ繋がる道は一本道です。
多少上り坂になっていますが、普通に歩いても五分程度くらいで到着できる近距離です。
迷子になる方がおかしいと思える単純な一本道です。
友人の前を歩いていた筈のお姉さんが、ふと目線を逸らした隙に姿が見えなくなっていました。
どこへ行ったのだろう?もしかして先に行ってしまったのでは?
だとすると、随分と足が速いなと思い、友人は急ぎ足で遊具場へ向かいました。
『お姉さん来てない?』先に子供たちと来ていた友人に尋ねてみると、来ていないと言うのです。一体どこへ行ったのだろう?
放っておいても時期に現れるだろうと、友人は、その時、消えたお姉さんのことを気に止めはいませんでした。
それから何十分か経過した後、お姉さんは漸く遊具場の広場へやって来たのです。
『どこへ行っていたの?』と聞いてみると、お姉さんは妙なことを言ったのです。
『それが、歩いても歩いても、ここへ辿り着けなくて……みんながはしゃいで遊んでいる声が聞こえるんだけど』
額に汗をかき、げっそりと疲れ切った様子のお姉さんは、どうやら今まで本当に迷子になっていたらしいと知りました。
けれど、単純な一本道で、それも初めて来た知らない場所ではない筈。
どうやったら迷子になれるのか不思議でならないのです。
友人はふと、その時思ったのです。
その公園の山頂に、確か稲荷神社が祀られていることを。神隠しなんて言葉があるけれど、まさにその通りかもしれない。
お姉さんはもしかすると、キツネに化かされた?
誰でも一度や二度くらい道に迷うことはありますよね。
そんな時、思うことは、ただ一つ。
『このまま帰れなかったらどうしよう』
そして『帰ってこれて良かった』と、ほっと胸を撫で下ろすことでしょう。

心の奥のモンスターとサヨナラして
苦しみを乗り越える最後の方法
→ サヨナラ・モンスター ←